火星大峡谷の中央、メラス・カンドル・オフィール凹地
Credit : ESA/DLR/FU Berlin
この展望画像は、ESAのマーズ・エクスプレス宇宙船に搭載してある高解像度ステレオカメラ(HRSC)で撮った火星で4000キロメートルの長さがある火星大峡谷の中心部を示します。
HRSCでは、2004年4月24日と5月2日の1ピクセルあたり21メートルで軌道334回目に、軌道360回目では1ピクセルあたり30メートルの高解像度で、これらの映像データを得ました。
斜視図は、火星大峡谷の中央に隣接する高地上に想像の点を置き北を見ています。
この眺めは、主な火星大渓谷で観測者に最も近いラテン語の「暗い溝」から名づけられたメラス凹地(カズマ)、同じく「青白い溝」を意味するカンドル凹地、そして、地平線に最も近いオフル凹地です。
各々の谷は、およそ200キロメートルの広さで、5000メートルと7000メートルの間の深さです。
画像は、南緯3度から13度、東経284度から289度の間に位置しています。
北は、上です。
火星大渓谷は、1971年のアメリカのマリナー9号宇宙船による調査映像から、この莫大な特徴印象に由来して名づけられました。
ここで、東から西に走る巨大な渓谷は、南北方角で最も広いです。
太陽系内で他に類のないこの巨大な地質がどのようにつくられたかは、不明なままです。
火星の最上層部の中の膨張力が、おそらく高地の深いひび割れにつながりました。
その後、硬い表面の塊は、これらの地殻構造上の破砕の間で下に滑動しました。
火星大峡谷を破断させることは、数十億年も前に起ったかも知れません。
その時に、火星大渓谷の西にあるタルシス湾曲部が、火山性活動の結果として形態し始めて、その後、直径1000キロメートル以上で高さが10キロメートル以上の大きさまで拡大しました。
地球で、そのような構造の過程は『裂け目』とも呼ばれていて、現在は、東アフリカのケニアに小規模な裂け目が生じています。
高地の大部分の陥没は、代用の説明です。
例えば、水氷の広範囲な量は、表層下で保存される可能性があって、それからたぶん近くの火山が多いタルシス地域での熱活動の結果として溶かされました。
水は、北の低地の方へ移動した可能性があって、氷がかつて存在した表層下に空洞を残しました。
上側は、岩の上に横たわる荷重をもはや支えることができなくなって、地域は崩壊しました。
どのようにして火星大峡谷ができたかに関係なく、落ち込みがつくられて、一旦、表層が地形上組み立てられたならば、激しい浸食がそれから景色を形づくり始めたことは明らかです。