銀河で最も重い星々を計量するハッブル

 人間と違って、星々はいつも全ての重さを持って生まれます。
 人間の出生時体重は、ほぼ数百グラム異なりますが、星の重さは、私たちの太陽の10分の1ちょっとから100倍以上の質量まで変動します。
 天文学者は、星々が様々な質量で誕生するということを知っているけれども、星が誕生時に重量制限があるかどうかを理解するには、まだ悩まされています。
 現在、天文学者は、星々の重量の確立に対する重要なステップを踏み出しました。
 天文学者は、NASAハッブル宇宙望遠鏡を使って、星がどれくらい大きく生まれることができるか、重量制限があるかどうかについて、私たちの天の川銀河の範囲内で最初の直接測定をしました。
 天文学者は、私たちの銀河の中で最も濃い既知の星団であるアーチ星団を研究して、私たちの太陽のおよそ150倍の大きさまたは、太陽質量のおよそ150倍を超えて、星が誕生しないと結論を出しました。

 この発見は、天文学者を複雑な星構造プロセスの理解へ連れて行くと共に、そのうえ星々が重量制限を持つという考えに密接で最も強い基盤を与えます。
 星がどれくらい大きく誕生するかについて知ることは、宇宙がどのように星々を作ったのかについても、重要な手掛かりを提供するかもしれません。

 大規模な星々は、宇宙の「実力者」です。これらの「実力者」の星々は、宇宙で新星と惑星を作る基礎単位であるより重い元素の多くを製造します。
 大きな星々も、巨大なガンマ線爆発の源として銀河を放射で浸しているのかもしれません。

 これは、銀河内で最も大規模な星々の一部の豊富な集積を含む信じられない星団です。それでも、私たちの太陽質量の150倍を超える大規模な星々を「見逃している」のかもしれません。
 理論は、大規模な星団になるほどその内部に大規模な星々を含有していると予測します。
 天文学者たちは、銀河で最も大規模な星団の1つを観測して、星がどれくらい大きく生ずることができるかを知る素早い近道とわかりました。

 標準の理論は、130〜1,000の太陽質量の間で、アーチ星団の星々が、20〜30の集団に分かれると予測します。
 しかし、天文学者たちは、何も見つけませんでした。
 もし、そのような集団や星々が誕生していたならば、今回のハッブル観測で見ることができたかもしれません。

 チームは、今回の結果のテストを兼ねると共に他の星団内で星の重量上限の決定を求めて研究を続けています。
 チームの発見は、私たちの銀河内の小質量星団の統計研究と、私たちの銀河の隣人である大マゼラン雲内のR136として知られている大規模な星団の観察と一致しています。
 その星団で、天文学者は、星々が私たちの太陽の質量の150倍を上回る星は、全く誕生していないことを発見しました。

 科学技術の進歩を持ち得ているとはいえ、星々に関して質量の上部限界を決定するために、星の構造プロセスの詳細について、天文学者は十分に知っていません。
 従って、理論では、星々が私たちの太陽の質量で100倍から1,000倍までの間で大規模な星が誕生し得ると予測しました。

 チームがこの発見に至るまで、ハッブル・データの分析に7年間も頭を悩まされ続けたほど星の質量制限は、扱いにくい問題でした。そして、ようやく2005年3月に論文を発表することができました。

今日の宇宙画像 2005年5月1日号へは、ここをクリックすると移動します。