赤が青・・・泡星雲NGC7635の変貌

 今日の宇宙画像は、天の川銀河に属している泡星雲です。
 関連画像を見るとわかるように赤い星雲が、青い星雲、緑や金色の星雲にと変化自在のようです。
 もちろん、撮影するときのフィルターによるものです。
 それぞれの画像の説明から考えるとメインの赤い色がこの星雲の人の眼で見る色に近いようです。確定はできません。
 今日のテーマは、かけるフィルタによって同じものでも異なって見えるということになるでしょうか。
 例によって一言。
 星雲ばかりでなく私たちは、あらゆるものを見るときに様々なフィルタをかけて見ているといえるでしょう。それゆえに、同じものが全く別のように見えるので、異なるものと区別するときがあります。
 どのフィルターで見るのが自然だとはいえません。かけたフィルターそのものが本来の自然を妨げてもいるのです。
 こうして考えると自然そのものを自然として見るということが、あるいは無いのかもしれません。見ることは、何らかの意識が無意識的に働いてもいるのです。例えば、倫理観、宗教観、知識観等の他に感情もものの見方を左右します。 

星と泡星雲
Credit & Copyright: Brian Lula
説明
 星とガスをこんなに繊細に宇宙の海で幻影を漂わせるように広めている眺めは、NGC7635としてカタログ登録されている泡星雲です。
 この広角の眺めで泡星雲は、1万1千光年遠くで鮮やかなガスの衝撃を中規模の星座カシオペア座に与えて大きな複合の中央を占めています。
 NGC7635は、本当に恒星間の泡です。そして、泡の境界線の中で見える最も明るい星からの風によって吹きつけられます。泡の拡大は、周囲の物質によって抑えられています。
 泡星雲の中心が太陽の位置とするならば、その範囲は直径で10光年あり、最も近い隣の星アルファ・センタウリも囲まれてしまいます。
 この息を呑むような画像は、活発な水素原子が発している赤い光線だけを取り込む精密なフィルターに加えて、広角のカラー・フィルターを利用した望遠鏡のデジタル画像との組み合わせです。

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