傾いた惑星のとても鮮明な眺め

Credit: Lawrence Sromovsky, (Univ. Wisconsin-Madison), Keck Observatory, NOAO

 ハワイのW・M・ケック天文台で行われた天王星の観測は、天文学者を地上から見る詳細のレベルで驚かせています。
 バークレーのSSIとウィスコンシンの2つの天文学者チームは、惑星の大気圏とリング・システムについて主要な科学的発見を目指して、先進のケック適応制御光学(AO)を利用しました。
 以前は、宇宙の望遠鏡を頼りにする外の太陽系の研究でしたが、今回の結果は、天文学者がどのように地上の望遠鏡を活用すると惑星の研究に役立つかを示す強力な例になりました。
 しかも、天文学者チームは、これらの映像の品質と詳細さに唖然としています。
 これらは、これまでに望遠鏡で得られた天王星の映像でも最高に属し、このユニークで特別な世界について理解する新しい窓を開けました。

 最近の天王星の観測は、惑星の南半球の秋分点に近づく季節です。天王星の1年は、84地球年で、今度の秋分点は2007年になります。
 2つのチームは、大気圏とリングの特徴を研究するために、赤外線の波長で幅が狭いフィルタを使用して、地球大気圏の揺らぎを補正するケック適応制御光学システムで非常に強化しました。
 地上の望遠鏡による観測は、天文学者が惑星の大気圏の気候的な変化を追跡するのに役立っています。
 一般に天王星は、比較的に気候が安定していると思われがちでしたが、これらの映像データは、多分、非常に激変する環境であることを示しています。
 このような劇的な環境を引き起こしている原因については、惑星地球の科学者の誰もが明確には知りません。

 時間だけが、話します。

 大気圏に関するケックのAOシステムと天王星のリングが示す詳細は、惑星地球の科学者が成し遂げる科学を根本的に変えます。
 20年前には、地上の望遠鏡でケックのように簡単に外の太陽系の詳細な映像を見ることができませんでした。
 これらの映像は、実際に天王星のその先へと旅行しているボイジャー宇宙船が撮った映像データよりも、とても多くの雲特徴を現しました。
 天王星の新しい映像で捕らえた大きい嵐は、およそ500万平方キロメートル以上もある地球上の大陸と同じくらいを飲み込みます。日本はもちろんアメリカ合衆国さえ、一飲みの大きさです。

 ギリシャ語のの天を象徴する神話の神「ウラノス」から名づけられた天王星は、最近までその変わり者惑星としてほとんど何も知られていませんでした。
 天王星は、私たちから見て側面を上に傾けていて、おそらく古代の宇宙衝突とその磁場の結果、奇妙に離れて位置して回転する極が傾いた惑星になったのかもしれません。

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