火星氷河時代のシミュレーション

Credit : NASA/JPL/Brown University
 この火星の眺めは、質学上最近に起こり得た氷河時代の真最中に出現したかもしれないシュミレーションです。
 全ての太陽系惑星で火星は、最も地球のような気候があります。
 両方とも、軌道と傾きの小さい変化に敏感です。
 約210万年から40万年前の時代の間に、火星の回転軸の増大した傾きは、極地で太陽熱暖房の増加がありました。
 火星グローバル・サーベイヤーと火星オデッセイ人工衛星からの観察を使った新しい研究は、この極地の温暖化が、両方の半球で約30緯度まで大気中で水蒸気と塵の移動があり、表層面では氷と塵の堆積物の蓄積があったと結論しています。
 それは大きさで、地球上のアメリカ合衆国南部またはサウジアラビアに相当します。
 火星は、最後の30万年頃に関して、小さい軸の傾きで特徴を表す間氷期の終止符内にありました。
 ウォーターアイスが極に復帰して、氷の豊富な表面沈澱物は、30度から60度までの緯度地帯において退化していました。

 1999年3月から火星地図作成で周回し始めた火星グローバルサーベイヤー(MGS)は、2003年8月29日に20,000回目の周回を完了しました。
 惑星周回20,000回のほとんどが極に近いほぼ円軌道で、1周回に約2時間かかります。
 宇宙船は、日に12回、火星極地を通過します。
 この2003年7月のMGSのカメラ(MOC)画像は、南極地方で霜を取り除いている小峡谷と表層移動(地すべり)特徴を示します。
 これは、それまでの冬の間に地上でたまった二酸化炭素と水氷の全てが、絶えず昇華している春の眺めです。
 霜の下の地面の異なる物質の特性は、個々の表面が春の進行につれ霜を保つ時間の長さの違いが原因です。
 ここで、なおほとんど霜を持っている地域は、小峡谷と地すべり堆積物と関連する明るい特徴です。
 これらの堆積物は、それらの周囲の地形より多くの砂を含むかもしれません。

 この画像は、火星グローバル・サーベイヤー(MGS)が火星を周回し始めてから4年を経過した2001年9月12日に撮った火星人工衛星カメラ(MOC)による火星の南極地域の広角度眺めです。
 画像中央の明るい地域は、永久の南極冠で夏を通しても残る氷の覆い部分です。
 中央を囲む明るい地域は、2001年6月17日に終わった南の冬の間に堆積した季節の霜覆いです。
 右下角の暗い地域は、季節の霜がこの地域でずっと速く絶えず昇華していること、そして惑星の夜側に近いという2つの現象に起因しています。
 画像の大部分の左側を覆う曖昧で霞んだ地帯は、午後の雲と霧に起因しています。
 極地の霜は、水と二酸化炭素氷を含みます。

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