有名な南の星雲

 空で最も大きい発光星雲のタランチュラ星雲は、別名NGC 2070または30ドラダスとも呼ばれていて、私たちの銀河の衛星銀河のひとつである大マゼラン雲(LMC)にあります。
 およそ170,000光年離れた南空のはるかに下に見られるこの美しい星雲は、範囲が1000光年以上あり1度の3分の1ほどで、満月の大きさには及びません。
 珍しい形のためにこの星雲は、その描写的な名前を与えられました。
 中心に水素と酸素ガスからの強い放射の原動力となる熱くて明るい若い星々の集団がある見事な天体は、タランチュラ星雲を肉眼でさえ楽に観察させると共に印象的な目標とします。
 この星雲は、チリにあるESOの山の天文台からかなり見えて、多くの異なる望遠鏡による数えきれない調査プログラムの天体でした。

 多数の独特で極彩色の天体が、この素晴らしい画像で見られます。
 主に赤い光を発する水素原子(波長656.2nm H-アルファ・スペクトル線)、緑青の光の水素原子(486.2nmのH-ベータ線)、そして、495.7と500.7nmの2本の[ O III ]線がある酸素イオンからなる非常に複雑な星雲状物質が、大部分の領域内で突出しています。
 この発光は、タランチュラ星雲の中心に位置するR136と呼ばれる星団内の200万年〜300万年前に生まれた熱く若い星々が発する強い紫外線(UV)放射による刺激が原因になっています。
 領域中至る所で、星雲状物質にまだ埋め込まれているいくつかの他の小さな若い散開星団があります。
 画像では、極左球状星団NGC 2100と右上に同じく球状星団のKMHK 1137が見えています。
 これらの2つの球状星団が、非常に異なる色で見えています。

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