太陽質量の200兆倍ある80億年前の銀河集団

 今日の宇宙画像は、80億年以上も前に誕生したらしい銀河の集団です。
 質量が太陽の200兆倍以上もあるらしいですが、これだけの銀河集団ですから当然かもしれません。
 ただ、宇宙が「誕生」してから50億年以内でこれだけの銀河集団が形成されていたというのが惑星地球の科学者たちにとって、現在の理論で「珍しいこと」らしいです。
 しかし、このような大きな銀河集団が50億年以内の宇宙で「当然」なことだったのではと、私は思います。
 ビッグバン理論から考えても宇宙の草創期にとてつもなく大きな質量の銀河集団があったとしても「当然」なはずです。
 現在の知識での理論が必ずしも真相を明らかにするとは限りませんし、狭い知識では当然の事象も「珍しい」ことになりますよね・・・

初期の宇宙内の銀河集団
Credit: P.Rosati (ESO) et al.; X-Ray: CXC, NASA / Optical: ESO, VLT
説明:
 中世の錬金術師は、金に至るまで主要成分金属を変えることを夢見ましたが、RDCS 1252.9-2927としてカタログに登録されている銀河のこの大きい集団の中の星の炉は、とっくの昔に軽い元素を重いものに変えました。
 疑似色彩合成画像において個々の集団銀河は、光学と近い赤外線波長で見ることができ、赤、黄、緑の色で示されます。
 紫のX線データは、重い元素で豊富な熱い集団内部ガスを現します。
 ハッブル宇宙望遠鏡と地上に拠点を置くVLTと同様に軌道に乗って回っているチャンドラとXMM-ニュートンX線望遠鏡を使っている天文学者の注意をひく銀河集団は、ほぼ90億光年離れて位置しています。また、同時に、そう宇宙が50億年未満だったときに存在しました。
 太陽の質量の200兆もあると計測されてこれまでに明らかになったよりも最も大きい天体で、宇宙がそれほど若かったときにこの銀河集団を作りました。
 集団元素の存在量は、大部分の重い元素が早くから大きい星々によって合成されたという考えと一致しています。
 しかし、現在の理論は、大きいそのような集団が初期の宇宙で珍しくなければならないことを示唆します。

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