千年に一度、タイタンのX線撮影「検査」

 今日の宇宙画像は、たぶん千年に一度かもしれない土星の月タイタンのX線影像です。
 9時間以上に渡って7000光年離れた蟹星雲のX線源が、タイタンを照射するように天体面通過の間チャンドラ天文台に像を結ばせました。
 この事象で判ったことは、タイタンの大気圏が太陽熱で膨らむことでした。
 私たちの地球で夏と冬の半球で大気圏の若干の誤差もありえて、季節の温度差が著しい原因のひとつに加えることも将来ありそうですね。

タイタンのX線
Credit: K. Mori (Penn State Univ.) et al., CXC, NASA
説明:
 この6月に、地球型惑星の金星による太陽の表面を横切って滑空する他の天体面通過があります。
 この事象は、まれなことでかなり予告されていて、影で容易に光り輝く宵の明星を特徴とするでしょう。
 けれども、2003年1月5日には稀有の他の天体面通過が起こりました。
 リングのあるガス巨人土星の大きい月タイタンが、約7,000光年離れている超新星面影の蟹星雲の前を横切りました。
 タイタンの他の天体面通過の間、軌道に乗って回っているチャンドラ天文台のX線探知器が、蟹座の素晴らしいパルサー星雲が発生する宇宙X線のシャドウイング(陰影)を記録しました。
 そして、医学X線に類似する状況で、この画像に描かれました。
 結果として生じる映像(左の折り込み)が、タイタンの大気圏の範囲を徹底的に調べることができました。
 ところで、蟹星雲におけるタイタンの他の天体面通過は、どれくらい珍しかったのでしょうか?
 土星が、30年ごとに蟹星雲の数度の範囲内で通る一方、次の類似した他の天体面通過は、伝えられるところによれば2267年に予定されます。
 しかも、蟹星雲を生んだ星の爆発が1054年に見られて以来、2003年のタイタンによる他の天体面通過が初めて起こったかもしれません・・・たぶんこれまでに。

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