三重の食の惑星

Credit : E. Karkoschka (Univ. Arizona), NASA
説明:
 段階区分されたガス巨人木星のこの偽色彩画像は、3月28日に進行中の大きい惑星と共に幾つかの月による比較的珍しい出来事の三重の食が現れています。
 ハッブル宇宙望遠鏡の近い赤外線カメラで得たもので、陽が当たっている木星の雲頂上を横切っている3つの黒い点は、枠外に位置する木星の月ガニメーデ、右端のカリストそしてイオの影を撮っています。
 実際には、イオ自体は白い点として画像中央付近に、右上方に青っぽいガニメーデが見えていますが、この時にカリストは画面を離れた右前方に位置していました。
 惑星木星からの眺めならば、これらの月の影の交差点では日食が見られるでしょう。それは、惑星地球の太陽に照らされている表面で交差する月の影に類似しています。
 歴史的に木星月食の時間を計ったのは、1676年に光速の最初の正確な測定値を行った天文学者のオーレ・ローマーでした。


 地球上で月の影が惑星の表面をさっと通り抜けるとき、太陽の前を通過するので日食を目撃します。

 しかしながら、木星は、地球の月と同じ大きさの月がおよそ4つあります。2004年3月28日に、そのうち3つの影が同時に木星をさっと通り抜ける画像をハッブルの近い赤外線カメラと複数対象分光計で撮ることができました。

 木星で3つの影を見ることは、10年間で一、二度だけしか起こりません。

 なぜ、この三重の食は、珍しいのでしょうか?

 イオ、ガニメーデ、カリストは、異なる速度で木星を軌道に乗って回ります。それらの影も異なる速度で、同様に木星の表面を横切ります。
 たとえば、最も外部の月カリストは、3つの衛星で最も遅い軌道に乗って回ります。カリストの影は、惑星を1周する毎にイオのあらゆる20の影交差点の間を移動します。

 付け加えるならば、ガニメデの影の交差割合と三重の食の可能性は、さらにまれになることになります。

 2004年に、2つの月が3つの影と同時に木星の表面に交差して三重の影を見られたのは、さらに特別な事象ということになります。

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