青い宇宙の海に浮かぶミマスとタイタンの地表

 今日の宇宙画像は、昨日の頭髪の薄いタイタンの画像をお披露目したことにより持ち玉が尽きたので、最新の土星の月ミマスを代役として抜擢しました。
 今日の副題は、主題画像から降ろされたタイタンの表面(地上)について、現在までにカッシーニから受け取ったデータだけで編成しました。
 研究論文がまだ公開されていないために、オーバーの上から背中を掻くようなもどかしさがありますが、火星表面で見られるような風紋と思しき地勢もあるようです。
 起伏の激しくない地形も数百キロに渡って見られるので、惑星地球上でいえばオーストラリア大陸の砂漠のような地形と遥か遠くのタイタンの一部が相似しているのかもしれません。

Credit: ESA, NASA/JPL/Space Science Institute

 光と重力によって生み出される見事な肖像で、土星の孤独な月ミマスが、土星の北半球の冷たく青い縞を背景にして見えています。
 土星の夜側で暗闇に徐々に消えて、リングに優美な影が、惑星を横切って優雅に弧を描いて進みます。
 ここで見られる大気圏の一部は、雲のない超高層大気による青い波長の優遇的な散乱によって、南半球のカッシーニ映像で見られる暖かい茶色と金色よりとても暗く青っぽく見えます。

 直径が398キロメートルあるミマスの近くの明るい青い帯は、4,800キロメートルの幅があるカッシーニ間隙を通過する日光によって引き起こされます。
 この示差的特徴の最も右の部分は、この映像で僅かに露出過度で従って明るい白になっています。
 分割した内部の薄いいくつかの薄い小輪の影が、ここでも見ることができます。
 画像の中央全体に広がっている暗い帯域は、土星の主なリングで最も濃いBリングの影です。
 Aリングと幅が狭い外のFリングと一緒に、実際のカッシーニ間隙の一部が、下の部分に現れます。
 この視角から、内部のCリング経由で大気圏と糸のような影が通過して見えるくらい、Aリングはかなり透明です。

 土星の月タイタンは、新しい偽色彩レーダー画像で滑らかな稜と起伏の多い稜の間の鮮明な相違を示します。
 以前公開された白黒画像と今回の偽色彩画像について、概観特徴の十分な見方を得られるように組み合わせています。
 新しいカラー画像で明るい地域は、より起伏の多い地形、レーダーに直面する傾斜、または異なる物質と一致するかもしれません。

 カッシニのレーダー計器から事前の高度測定データを使って生み出されたグラフは、タイタン上の相対的な表面高度を示します。
 データは、長さ400キロメートルの通り道上で、およそ150メートルだけの高さまでの変化を示します。この地域は、タイタンでも著しく平らなことを示します。

 宇宙船のイメージング科学サブシステムから可視光映像の繋ぎ合わせに、カッシーニのレーダー計器の受動放射計モードからのタイタン・データを重ねて示した画像では、明るくて暗い陰影が光学の映像からである一方、輪郭と色は約2センチメートルのマイクロ波波長でタイタンの放射を示します。
 このマイクロ波放射は、検知した可視光映像の太陽からの反射よりも、むしろ直接タイタンから生じています。

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