タイタンの山の上で

Credit: ESA/NASA/JPL/Space Science Institute

 カッシーニが10月26日に土星の月タイタンに飛んだとき、科学者は、発見の小さい経験に出逢いました。
 人々は、タイタンが炭化水素海によって完全に覆い隠されると長年、思っていました。
 いつ、それが変わったのでしょうか?
 カッシーニ科学者が1987年にこの分野に関して乗り出したとき、全体的な炭化水素海のモデルは科学者にとってバイブルのようでした。
 1983年に出版された全体的な海の科学者のモデルは、なぜタイタンの大気の中にメタン・ガスがあったかについて、非常に的確な説明をしました。
 タイタンの観察が近赤外線で行われたあと、その見解は変わりました。
 その波長で、科学者が「メタンの窓」と呼ぶタイタンの厚いスモッグを貫き表面までずっと見ることができる範囲があります。

 タイタンの表面の近赤外線の光度曲線は、海洋のように表面全体が同じ物質に覆われていたならば均一になるはずなのに、そのような結果になりませんでした。
 表面が均一でなかったので、そのことは少なくとも、タイタンの表面の一部が液体でなかったことを示唆しました。
 タイタンの表面に、変な明るくて暗い小区画がありました。
 多くの人々は、暗い小区画が炭化水素湖であり、明るい小区画が氷のような固体の物質に違いないと思っています。

 カッシーニ科学者は、それらの反響であるアルベドが、非常に低いので暗い地域が炭化水素湖の可能性があったと思っています。
 しかし、この科学者はまた、水氷も赤外線の波長で暗いので、全ての暗い小区画が炭化水素液体であるとは思っていません。
 その上、明るいものと暗いものとが混ざって見える中間の地域があります。それは、物質によるピンホールではなく、解けかけている雪、泥、あるいは幾分固形質の可能性がありました。

 水氷は、確認できる波長のうちの2つで暗いので、それらは水氷の可能性がありません。しかし、炭化水素氷は、全ての波長で明るいです。
 従って、明るい地域は、頂上に炭化水素氷を持つ台地または、山であるかもしれません。炭化水素炭化水素氷になるためには、山のような高い高度を必要とすると共に、そのような頂上で雪のように沈殿することができます。

 しかし、これまでの観測では、山の証拠がタイタンにありません。

 けれども、惑星地球の知的生命体は、カッシーニによってタイタンの表面の0.4パーセントを見ただけです。
 このような極僅かの範囲だけでタイタンの全てを見たと結論付けることは、惑星地球以外の知的生命体が、地球のハイウェーがある地域だけを見て地球全体がハイウェーであると仮定することと同じと言えます。
 ですから、私たちはタイタンの表面をより多く見る必要があります。

 ホイヘンス探測機は、暗い色と明るい色の小区画の間のちょうど良い中間の地域に着く計画です。おそらく着陸するところからの眺めは、遠く側に眼を向けると山を見て、もう一方の側に眼を向けると湖です。
 そこは、非常に面白いところです。
 ホイヘンス探測機は、多分よりさらに私たちにタイタンの化学について話すでしょう。

 ところで、その化学はどれくらい複雑なのでしょうか?

 それは、とても重要な問題です。
 とても大きい分子とよりさらに複雑なものを得るならば、アミノ酸のような生命の巨大分子に確実に一歩、近寄ることになります。
 現在、タイタンにシアン化水素(HCN)があります。また、私たちは、HCNがアミノ酸のような分子に至る基礎単位のうちの1つであるということを知っています。
 私たちはタイタンの複雑さについてどの程度まで知り得ているのでしょうか?

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