南大西洋の美しい潮の華

 南アメリカの南端の大西洋岸を離れて、冷たい水の噴流は環南極海流沖で分岐します。そして、南極大陸周辺で南の海に連続的な東に流れる循環の輪になります。
 この北に流れる分派は、マルビナス海流またはフォークランド諸島を通り過ぎるのでフォークランド海流と呼ばれています。
 ラプラタ川から通常数度の北または南の緯度で、暖かい南のブラジル海流と合流するまで、マルビナス海流は南アメリカの沿岸に沿って北に流れます。そこで、パラナ川ウルグアイの川が、大西洋と合流します。
 今日の地球画像では、2004年12月6日についてのSeaWiFS衛星によるデータに基づき2つの異なる展望の一組で、南大西洋マルビナス海流領域を示しています。
 この画像は、クロロフィル濃度を樹木の下で日陰になっている青から上部の日が当たっているところを黄色気味に示している一枚です。

 マルビナス海流とブラジル海流の集中は、温度と塩濃度が比較的小さい範囲の中で、非常に量の変化に至る原因になります。
 流れと海洋水の押し合いは、沈む水と噴出する水の窪みをつくります。
 海洋に生息する微小の植物プランクトンがいる表面まで、噴出が海洋の下の層から栄養素が豊かな水を引き上げます。
 栄養物の流入は、水の肥料であり、植物プランクトンの集中がそこで増加します。

 クロロフィルと他の明るい魅力的な彩色は、海洋表面で華やかな模様を作ります。

 今日の地球画像は、魅惑溢れる海の瞬間の凶暴さを目の当たりにした映像の紹介を2日間続けたので、もうひとつの『本来の素顔』の海の画像を取り上げてみました。

 日本周辺では、親潮黒潮が合流する房総半島の銚子沖や日本海側では対馬の北東周辺でも、今日の地球画像のような素晴らしい潮の華模様が見られるはずです。
 四方を海に囲まれている島が、海流の寒暖と動植物プランクトンに恵まれ海中の生き物を育んでいるかこの華やかな潮模様でも読み取ることができるかもしれません。

 津波は、華やかな海が秘めている凶暴の一面です。
 美しい対象には、くれぐれも心して望まないといけないのかもしれませんね。

今日の地球画像 2005年1月5日号へは、ここをクリックすると移動します。


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