IC 1396のH-アルファ・クローズアップ

 鮮やかな水素ガスの雲が、不気味にIC 1396のこのクローズアップで暗い塵通路で入り混じります。
 そこは、約2,000光年離れた星座ケフェウス座内の星の誕生が盛んな領域です。
 この星雲と類似した他の発光星雲では、熱くて若い星からの精力的な紫外線が、周囲の水素原子から電子を剥ぎ取っています。
 電子と原子が再結合する時に、それらは明るいスペクトル線のよく知られている独特なパターンで、より長い波長の低いエネルギー光を放ちます。
 可視の波長で、このパターンの中で最も強い輝線は、スペクトルの赤い部分にあり、「水素アルファ」または、まさしくH-アルファとして知られています。
 私たちの天の川銀河星雲内のH-アルファ放射の調査であるIPHASの一部のこの画像は、約20光年の範囲で大規模な新星が生まれていそうな領域のIC 1396内で、明るく濃い範囲をハイライトしています。

 天の川銀河星雲内のH-アルファ放射の調査(IPHAS)は、ラパルマにある2.5メートル・アイザック・ニュートン望遠鏡(INT)で実行されている北の銀河面の重要な調査です。
 IPHAS調査は、2003年に-5度<b<+5度の範囲で、全ての北の銀河面の像を造ることを目的としてINT広角フィールド・カメラを用いて行いました。
 この1800平方度範囲の結像は、2005年内の完了を目的としています。

 Hαスペクトル線は、拡散してイオン化した星雲をたどって、一般にプレ主系列星とポスト主系列星の星のスペクトルで突出している点で重要です。
 これらの天体は、発展の比較的短命な状態を表わして、それらにより天の川銀河内で少数派の私たちの状況に似ています。
 しかし、例え少数派であろうとも、それらに関する研究は、星の発展の主な状態の理解に重要です。

 牡牛座T型変光星、ハービッグ AeBe星、ハービッグハロ天体のようなプレ主系列星の天体は、惑星システムの成長決定を支援します。
 ポスト主系列星は、星の終わり状態を左右して、恒星間の媒体(ISM)にエネルギーと化学的に豊富な物質の循環に関与します。
 これらの天体は、超巨星、明るく青い変光星、漸近巨星分枝星(ぜんきん きょせい ぶんし せい、AGB)、ポストAGB天体、惑星状星雲と相互に作用する連星があります。

 得られるデータは、空間的に解像した星雲に関して、未解決の輝線星々を求めて採掘されるでしょう。
 事前の結果は、およそ10,000の新しいHα放射源がカタログに載せられることを示唆します。

 鮮やかな赤い発光星雲の 今日の宇宙画像 2005年11月3日号 詳細ページ